伝統構法建築学部第五期は開講確定となりました!!
※9月10日の募集期間は過ぎましたが、まだ受講枠に余裕はありますので希望される場合は個別にご相談ください。ご相談に乗らせていただきます。(9月10日付け)
こんなことやります
伝統構法建築学部は、「板倉の小屋づくり」を通して、伝統的な木造建築技術と国産材・地域産材の利用促進の考え方および手段を学びたい方に向けて用意された学びの場です。
2018年1月からはじまり、これまでに4回の開催実績のある人気学部の一つになってきました。
北は青森、南は沖縄、愛知、長野、福島、新潟、そして一都三県。
日本全国から受講される方が集まっています。
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日本は高温多湿気候の雨が多い地域で、古代から「木造建築」が主流です。
百年近く前に、ヨーロッパでコンクリートが発明されてから土台、基礎、建築そのものに使われていますが、多雨気候地域では、コンクリートの劣化が早く、建築の寿命は、木造建築の方が圧倒的に永いと言われています。
戦後、石油製品の開発、化学製品が発明されて、その便利さから世の中にどんどん普及していきました。
ドイツなどでは、簡単に製造できる石油系の建材、塗り壁材などが広まっていきましたが、欠点として、寿命が短い、紫外線によって劣化し易い、製品の廃棄処分等の問題、人体に及ぼす公害等が発生し、ドイツを含む、ヨーロッパでは、住宅建築において石油系建材を排除する方向にあります。
フランスでは、驚くかもしれませんが、野菜で出来た塗り壁材も販売されているほどです。
日本の建築に話を戻しますと、住宅建築は、古代から使われてきた木、土、漆喰、和紙、麻布、等々建築すれば、住宅の寿命は延び最低でも三世代は住める家が出来ます。
そして、住宅を壊した後でも、すべての建材は土に還り、地球温暖化防止も一役買います。今のような寿命が極端に短い石油系建材が主流の住宅は、20年30年後、また建て替え必要であり、老後かなりの出費を余儀なくされます。
それだけでなく、建材の処分にかなりの費用が伴い、再度炭酸ガスが発生します。
最初から、昔のような寿命の永い建材を使って住宅を建てれば、老後、出費も少なくてすみ、もっと人生を楽しむことができるはずです。
板倉構法は、日本古来の神社や穀物倉庫を造ってきた優れた伝統的な木造建築技術で、継手仕口を用いて組んで作ります。そのため、耐久性があり、増改築がしやすく解体再利用も容易です。
こうして森林資源を活かす暮らし方は日本人の優れた知恵と言えるでしょう。
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伝統構法建築学部は、埼玉県飯能市の山林から自伐型林業により伐り出された国産材・地域産材を製材するところからはじまり、基礎づくり、墨付け、手刻みによる継手仕口づくり、そして建て方までを一気通貫して学ぶことができるプログラムとなっています。最近では建てた小屋を解体し、移築するプロジェクトも進んでいます。
現代の板倉構法は筑波大学名誉教授・安藤邦廣先生の長年の研究により提唱されているもので、本学部はその安藤先生より直接指導を受けることができる貴重な機会でもあります。
2023年9月末から開講する第5期の建設場所は、山の斜面ではなく4期と同様「平地」になります。自伐型林業により生産される主だった材(3m材、4m材)を用いて「正方形型」の小屋づくりを行います(予定)。正方形型の板倉小屋は世の中にまだあまりなく希少ということです。
小屋のデザインと場所は第四期とも多少異なるものになると思いますが、考え方から必要な技術まで多くのことを習得いただけます。(過去に建築した小屋を見学することも可能です)
また「ワーカーズボイス」というオンラインの講座もございます。ワーカーズボイスは本学部を卒業した人が、ここで学んだことを活かして今どんなことをしているのかを学ぶものです。
伝統構法大工を行う工務店に就職した方、二拠点先に板倉構法のミニマルな家を建て暮らしている方、障害者向けのシェアハウスに板倉構法を用いて事業運営している方、ご自身で材料を調達・準備をし小屋を建てている方、伝統構法建築学部を、国産材・地域産材を使う人生に役立てている方、続出しています。
世界が注目する「板倉構法での小屋づくり」を学びたい方のための地球のしごと大學オリジナルのプログラムにぜひご参加ください。
↓ コチラの動画で2020年10月〜開講した「第三期」の「建て方」講座の様子をご覧いただけます。
こんな方におススメです
- 伝統的な木材建築技術を学びたい方
- 板倉構法を学びたい方
- 国産材・地域産材の利用促進の考え方や手段を学びたい方
- 日本の木造建築における歴史や考え方を学びたい方
- 木材の循環利用を考えている方
- 自伐型林業学部を受講された方
- セルフビルドに関心のある方
- 将来自分で小屋を作って暮らしたい方 など
受講するとこんな良いことがあります
第5期 募集要項
講座のゴール
「板倉の小屋づくり」を通して、伝統的な木造建築技術と国産材・地域産材の利用促進の考え方および手段を実技と座学から学び、行動をするためのキッカケを掴む。
期間
2023年9月30日~2024年3月24日
場所
自動ドア技術学院
〒357-0123 埼玉県飯能市大字中藤下郷字並木294-3
アクセス:飯能駅前より国際興業バス(04・05系統 新寺経由 中藤行きまたは中沢行き)にて天神橋下車。
所要時間:バス20分+徒歩1分
電話:(042)970-3211 FAX:(042)970-3201
費用
126,500円/人 保険料込み、宿泊・飲食費用は別途。
※地球のしごと大學の他学部の受講済みの方は「入学金1.1万円免除」となります。
※「ご夫婦」での受講の場合、二人目の受講料は「30%割引」とさせていただきます。
※また、1日単位での単発受講も可能です(費用は入学金11,000円+1日当たり11,000円の参加料を頂戴します)。定員オーバーの際はフル受講の方を優先させていただきます。
定員
定員20名(最小催行人数は10名を目安としています、9/10時点で本申込者10名)
※開講確定いたしました!!(9/10付け)
募集締め切り
2023年9月10日(土)
9月10日の募集期間は過ぎましたが、まだ受講枠に余裕はありますので希望される場合は個別にご相談ください。ご相談に乗らせていただきます。(9月10日付け)
オンライン説明会
6月30日(金)20:00〜21:00(6/28時点 3名参加)
7月19日(水)20:00〜21:00(6/28時点 2名参加)
8月7日(月)20:00〜21:00(8/5時点 8名参加)
8月18日(金)20:00〜21:00(8/17時点 3名参加予定)
8月22日(火)20:00〜21:00(8/21時点 5名参加予定)
8月30日(水)20:00〜21:00(8/30時点 2名参加予定)
9月6日(水)20:00〜21:00(9/1時点 1名参加予定)
説明会のお申し込みはコチラからお願いします。
お申込み
受講のお申し込みはコチラからお願いします。
お問い合わせはchikyunoshigoto@gmail.comまでお願いいたします。
全日程参加の方を優先しますので、単発でのお申し込みの方は締切日を過ぎて空きがある場合のみ受講可能となります。先着順、費用のお振込み順に受講者さまを確定させていきます。
お振込みいただいた後でのキャンセルご返金は原則応じられませんのでご了承くださいませ。
第5期カリキュラム
9月30日・10月1日
(土・日)9:00~16:00
講座内容: 製材(実技)
講座詳細: 製材に関する基本的な知識を座学と実技から学びます。木拾い表に基づいて、簡易製材機で伐り出してきた丸太の粗挽き製材をします。2日間で構造材などの粗挽き製材を行います。
講師: 鴨下勇(鴨下建築)、小野雄司
10月21日
(土)9:00~16:00
講座内容: 大工道具レクチャー(実技)
講座詳細: 実技で大工道具の使い方を学びます。
講師: 鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)
10月28日・29日
(土・日)9:00~16:00
講座内容: 基礎造り、墨付け(実技+座学)
講座詳細: 小屋の基礎造りと、構造材の墨付けを行います。
講師: 安藤邦廣(里山建築研究所)、岡原玄八(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)
11月25日・26日
(土・日)9:00~16:00
講座内容: 刻み加工①(実技)
講座詳細: 継手・仕口、ほぞ・ほぞ穴などの”刻み加工”を実践で学びます。
講師: 岡原玄八(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)
2024年1月平日
19:30〜21:00
講座内容: ワーカーズボイス
講座詳細: 伝統構法建築学部過去受講生(1名)から現在の活動状況を聞き、この学部で学んだことをどう活かすかの参考にしていただきます。
講師: 学部過去受講生
2024年2月3日・4日
(土・日)9:00~16:00
講座内容: 刻み加工②(実技)
講座詳細: 継手・仕口、ほぞ・ほぞ穴などの”刻み加工”を実践で学びます。
講師: 鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)
2024年2月17日・18日
(土)9:00~16:00
講座内容: 17日は1日に座学(安藤先生)、18日は1日有志による作業(実技)
講座詳細: 座学と板材など、製材仕切れていないものを製材したり、加工したりします。
講師: 安藤邦廣(里山建築研究所)、岡原玄八(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)
2024年3月23日・24日
(土・日)9:00~16:00
講座内容: 小屋建築(建て方)
講座詳細: 土台に柱を建て柱の間に板を落として壁を作るところから行い、2日間で小屋を建築します。日本の家づくりの歴史、板倉の家づくり、まちづくりについても座学で学びます。
講師: 安藤邦廣(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、岡原玄八(里山建築研究所)
注記
- 2023年12月、2024年1月は実技はお休みの期間となります。
- 各自用意していただくものは、筆記用具、作業しやすい服装(長袖着用)、手袋、作業靴、雨天時の雨具、昼食・飲み物などです。ヘルメット、金槌、のこぎり、ノミ、差し金、電動ドリルなど大工木工や建てる際に必要な道具は全て運営側で準備をいたします。
- 基本的に「雨天決行」です。
- 受講生は自動ドア技術学院内の寮にて宿泊いただけます。ただし、女性の方の宿泊は寮の規定上お断りしております。大変申し訳ございません。お近くのビジネスホテルや旅館などをお勧めいたします。ご案内も可能です。
- 各回初日の講座終了後は「懇親会」も今のところ行う予定です。講師も交え質疑やよもやま話で盛り上がりましょう。(費用は別途徴収させていただきます)
- 2024年3月の「建て方講座」につきましては保険に加入していただきます。手続き、費用につきましては主催者で行います。
講師

安藤 邦廣(あんどう くにひろ)
筑波大学名誉教授 工学博士/建築家
里山建築研究所主宰、NPO木の建築フォラム代表理事、
(社)日本板倉建築協会代表理事、歴史的建築物活用ネットワーク共同代表
1948年宮城県生まれ。里山の保全と民家の活用および国産材を活用した板倉の家づくりに取り組んでいる。板倉構法による東日本大震災の応急仮設住宅と復興住宅の建設にも協力支援を続けている。
- 「小屋と倉」・2010.5・建築資料研究社
- 「民家造」・2009.2・学芸出版社
- 「住まいを四寸角で考える」・2005.8・学芸出版社
- 「職人が語る 木の技」・2002.12・建築資料研究社
- 「住まいの伝統技術」・1995.3・建築資料研究社
- 「茅葺きの民俗学」・1983.12・はる書房など
- 1989 日本建築学会奨励賞
- 1994 福島県建築文化賞(共同設計)
- 2003 東北建築賞奨励賞(共同設計)
- 2010 住宅総合研究財団 清水康雄賞
- 2011 日本建築学会賞(論文)
- 2013 グッドデザイン賞(共同プロジェクト)
- 2014 日本造園学会賞(技術賞)(共同設計)
- 2014 日本建築仕上学会賞(作品賞)
-
住宅・施設
板倉構法による一連の住宅作品
板倉構法による応急仮設住宅(福島県)2011
板倉構法による復興住宅・施設(宮城県南三陸町)2012〜現在
パルシステム茨城 日立館 2015
学習塾日能研大船校仮設校舎 2016 -
古民家再生
越後妻有大地の芸術祭 うぶすなの家2006
宮清大蔵音楽ホール 2009 -
公共建築
喜多方市立熊倉小学校体育館(監修および構造設計)2015
つくば市梅林あずまやと木造施設(茨城県) 2001〜2007
秋田県ゆとり生活創造センター遊学舎 2002
横手市立栄小学校(秋田県) 1995
中山義秀記念文学館・ふるさと文化伝承館(福島県) 1993 -
社寺建築
広宣寺庫裏(長崎県) 2006
称名寺庫裏(石川県) 2000
*いずれも共同設計
《実技講師》
埼玉県飯能などで活躍をされている方々に「実技講師」をお願いしています。
・鴨下勇(鴨下建築)
大工。昭和36年7月6日生まれ。高校卒業後大工修行。昭和64に独立、鴨下建築として活動。地元飯能を中心に幅広い技術と知見で大工仕事に取り組んでいる。
・小林和良(小林建築)
大工。昭和50年7月12日生まれ。高校卒業後大工修行。29歳の時に独立、小林建築として活動を開始。地元飯能を中心に親子で大工仕事に取り組んでいる。
・岡原玄八(里山建築研究所)
設計士、大工。高知県出身。アイビーログ工房から里山建築研究所へ。安藤先生の右腕的存在。
参加者の声

30代 東京で会社員(家具メーカー) → 高知県の移住
実家が製材所を営んでおり、木材は私にとって非常に身近なものでした。大学を卒業後、いくつかの職を経たのち…

40代 都市公園の管理業務 → 樹木管理の仕事と拠点づくり
自伐型林業に興味を持ち、受講を考えていた時期に伝統構法建築学部の募集もあることを知り、自伐型林業の目的…

40代 医療従事者 → 見習い百姓
小学生の頃、実家の増築があったので、大工の現場が自然と私の遊び場になっていました。骨組みをジャングルジムにしたり、庭の片隅で大工の真似事をしたりと。日々好奇心が...
第5期小屋建築予定地

2018年1月から開講した第1期に建築した小屋の隣に建築をする予定です。※予定ですので変更になる場合があることは予めご了承ください。
担当者

NPO法人地球のしごと大學 副理事長
田中 新吾(たなか しんご)
連携企業・団体について
本学部は、日本自動ドア株式会社と一般社団法人日本板倉建築協会、地球のしごと大學の連携プログラムとなっております。 日本自動ドア株式会社の保有する森林、宿泊所(自動ドア技術学院)、その他の設備を利用いたします。