こんなことやります

伝統構法建築学部は、「板倉の小屋づくり」を通して、伝統的な木造建築技術と国産材・地域産材の利用促進の考え方および手段を学びたい方々のための学びの場です。2018年1月からはじまりこれまでに5回の開催実績のある人気の学部です。

北は青森、南は沖縄、宮崎、愛知、兵庫、広島、長野、福島、新潟、そして一都三県。日本全国から受講生が集まります。

 

伝統構法建築学部は、埼玉県飯能市にある山林から自伐型林業により伐り出された国産材・地域産材を製材するところからはじまり、墨付け、手刻みによる継手仕口づくり、そして建て方までを一気通貫して学ぶことができるプログラムです。最近では建てた小屋を解体し、移築するプロジェクトも進んでいます。

現代の板倉構法は筑波大学名誉教授・安藤邦廣先生の長年の研究により提唱されているもので、本学部はその安藤先生より直接指導を受けることができる貴重な機会と言えるでしょう。

 

2024年10月26日から開講する第六期の小屋の建設場所は、第五期と同様に平地となります。自伐型林業により生産される主だった材(3m材、4m材)を用いて正方形型に近い小屋を作る予定です(設計工程で変更が生じる場合があることは予めご了承ください)。

小屋のデザインと場所は第五期の時と多少異なるものになると思いますが、考え方から必要な技術まで多くのことを習得いただけます。

講座受講中には、過去に建築した板倉の小屋を見学することも可能です。

 

また「ワーカーズボイス」というオンラインの講座もございます。ワーカーズボイスは本学部を受講した方が、ここで学んだことを活かして今どんなことをしているのかを学ぶものです。

過去の受講生からは、伝統構法大工を行う工務店に就職した方、二拠点先に板倉構法のミニマルな家を建て暮らしている方、障害者向けのシェアハウスに板倉構法を用いて事業運営している方、ご自身で材料を調達・準備をし小屋を建てている方など、伝統構法建築学部での学びを、国産材・地域産材を使う人生に役立てている方が続出しています。

 

2023年にはこれらの取り組みが客観的にも評価され「JAPAN WOOD DSESIGN AWORD 2023」を受賞することができました。

 

 

世界が注目する「板倉構法での小屋づくり」を学びたい方のための地球のしごと大學オリジナルのプログラムに、是非ご参加ください。

 

以下の動画で2020年10月〜開講した「第三期」の建て方講座の様子をご覧いただけます。

※この時は林内に建てることができる場所があったため林内での建て方となりました。

木造建築と板倉構法

日本は高温多湿気候の雨が多い地域で、古代から「木造建築」が主流です。

百年近く前に、ヨーロッパでコンクリートが発明されてから土台、基礎、建築そのものに使われていますが、多雨気候地域では、コンクリートの劣化が早く、建築の寿命は、木造建築の方が圧倒的に永いと言われています。

 

戦後、石油製品の開発、化学製品が発明されて、その便利さから世の中にどんどん普及していきました。

ドイツなどでは、簡単に製造できる石油系の建材、塗り壁材などが広まっていきましたが、欠点として、寿命が短い、紫外線によって劣化し易い、製品の廃棄処分等の問題、人体に及ぼす公害等が発生し、ドイツを含む、ヨーロッパでは、住宅建築において石油系建材を排除する方向にあります。

 

日本の建築に話を戻しますと、住宅建築は、古代から使われてきた木、土、漆喰、和紙、麻布、等々建築すれば、住宅の寿命は延び最低でも三世代は住める家が出来ます。

そして、住宅を壊した後でも、すべての建材は土に還り、地球温暖化防止も一役買います。

今のような寿命が極端に短い石油系建材が主流の住宅は、20年30年後、また建て替え必要であり、老後かなりの出費を余儀なくされます。

それだけでなく、建材の処分にかなりの費用が伴い、再度炭酸ガスが発生します。

 

最初から、昔のような寿命の永い建材を使って住宅を建てれば、老後、出費も少なくてすみ、もっと人生を楽しむことができるはずです。

板倉構法は、日本古来の神社や穀物倉庫を造ってきた優れた伝統的な木造建築技術で、継手仕口を用いて組んで作ります。

そのため、耐久性があり、増改築がしやすく解体再利用も容易です。

このようなことから、森林資源を活かす暮らし方は日本人の優れた知恵と言えるでしょう。

こんな方におススメです

  • 伝統的な木材建築技術を学びたい方
  • 板倉構法を学びたい方
  • 国産材・地域産材の利用促進の考え方や手段を学びたい方
  • 日本の木造建築における歴史や考え方を学びたい方
  • 木材の循環利用を考えている方
  • 自伐型林業学部を受講された方
  • セルフビルドに関心のある方
  • 将来自分で小屋を作って暮らしたい方 など

受講するとこんな良いことがあります

  • 伝統的な木造建築技術の知識・技術、国産材・地域産材の利用促進の考え方や手段が蓄積されるため、木に囲まれる未来の暮らしが近づきます。
  • 安藤先生、プロの大工さんから直接指導を受けることができ、受講を通して良い関係性を築くことができます。
  • 受講を通して、同じような志や価値観を持った顔の見える仲間との関係性ができ、豊かさが増えます。
  • 木材の循環的利用をするための考え方や視座を学ぶことができる

第六期 募集要項

講座のゴール

「板倉の小屋づくり」を通して、伝統的な木造建築技術と国産材・地域産材の利用促進の考え方および手段を実技と座学から学び、行動をするためのキッカケを掴む。

期間

2024年10月26日~2025年6月1日

場所

自動ドア技術学院
〒357-0123 埼玉県飯能市大字中藤下郷字並木294-3
アクセス:飯能駅前より国際興業バス(04・05系統 新寺経由 中藤行きまたは中沢行き)にて天神橋下車。
所要時間:バス20分+徒歩1分
電話:(042)970-3211 FAX:(042)970-3201

費用

148,500円/人 保険料込み、宿泊・飲食費用は別途。

※地球のしごと大學の他学部の受講済みの方は「入学金11,000円割引」となります。

※「ご夫婦」または「親子」での受講の場合(家族同伴)、二人目の受講料は「30%割引」とさせていただきます。

※1日単位での単発受講も可能です(費用は入学金11,000円+1日当たり11,000円の参加料を頂戴します)が、定員オーバーの際はフル受講の方を優先させていただきます。

定員

定員目安15名(最小催行人数10名)

募集締め切り

2024年10月1日(火)

オンライン説明会

2024年8月5日(月)20:00〜21:00

2024年8月20日(火)20:00〜21:00

参加を希望される方はコチラからお申し込みください。

お申込み

受講のお申し込みはコチラからお願いします。

お問い合わせはchikyunoshigoto@gmail.comまでお願いいたします。

全日程参加の方を優先しますので、単発でのお申し込みの方は締切日を過ぎて空きがある場合のみ受講可能となります。先着順、費用のお振込み順に受講者さまを確定させていきます。

お振込みいただいた後でのキャンセルご返金は原則応じられませんのでご了承くださいませ。

第六期カリキュラム

10月26日・10月27日 (土・日)9:00~16:00

講座内容: 座学・製材(実技)

講座詳細: 製材に関する基本的な知識を座学と実技から学びます。木拾い表に基づいて、簡易製材機で伐り出してきた丸太の粗挽き製材をします。2日間で構造材などの粗挽き製材を行います。

講師: 安藤邦廣(里山建築研究所)、岡原玄八(里山建築研究所)、小野雄司

11月24日 (日)9:00~16:00

講座内容: 大工道具レクチャー(実技)、板倉の小屋見学(予定)

講座詳細: 実技で大工道具の基本的な使い方を学びます。午後は近隣の板倉の小屋の見学も予定しています。

講師: 鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)

2025年2月1日・2日 (土・日)9:00~16:00

講座内容: 墨付け、刻み加工の準備ほか

講座詳細: 構造材の墨付けと刻み加工の準備を実技で学びます。

講師: 岡原玄八(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、小野雄司

2025年2月22日・23日 (土・日)9:00~16:00

講座内容: 刻み加工①(実技)

講座詳細: 継手・仕口(ほぞ・ほぞ穴)のための刻み加工を実技を通して学びます。

講師: 岡原玄八(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、小野雄司

2025年3月22日・23日 (土・日)9:00~16:00

講座内容: 刻み加工②(実技)

講座詳細: 継手・仕口(ほぞ・ほぞ穴)のための刻み加工を実技を通して学びます。

講師: 岡原玄八(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、小野雄司

2025年4月平日 19:30〜21:00

講座内容: ワーカーズボイス

講座詳細: 伝統構法建築学部過去受講生(1名)から現在の活動状況を聞き、この学部で学んだことをどう活かすかの参考にしていただきます。

講師: 学部過去受講生

2025年4月12日 (土)9:00~16:00

講座内容: 座学

講座詳細: 1日に安藤先生による座学です。学びが多いので是非ご参加いただきたいです。

講師: 安藤邦廣(里山建築研究所)、岡原玄八(里山建築研究所)

2025年4月13日 (土)9:00~16:00

講座内容: 建て方に向けた各種準備

講座詳細: 建て方に向けて揃っていない材料の準備などを行います。

講師: 鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、小野雄司

2025年5月17日・18日 (土・日)9:00~16:00

講座内容: 小屋建築(建て方)

講座詳細: 土台に柱を建て柱の間に板を落として壁を作るところから行い、2日間で小屋を建築します。日本の家づくりの歴史、板倉の家づくり、まちづくりについても座学で学びます。

講師: 安藤邦廣(里山建築研究所)、鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、岡原玄八(里山建築研究所)、小野雄司

2025年5月31日・6月1日 9:00~16:00

講座内容: 解体(実技)ほか

講座詳細: 建築後の小屋の解体を通じて、木材の循環利用について学びます。

講師: 鴨下勇(鴨下建築)、小林和良(小林建築)、岡原玄八(里山建築研究所)、小野雄司

注記

  • 2024年12月、2025年1月の講座はお休みの期間となります。
  • 各自用意していただくものは、筆記用具、作業しやすい服装(長袖着用)、手袋、作業靴、雨天時の雨具、昼食・飲み物などです。ヘルメット、金槌、のこぎり、ノミ、差し金、電動ドリルなど大工木工や建てる際に必要な道具は全て運営側で準備をいたします。
  • 基本的に「雨天決行」です。
  • 受講生は自動ドア技術学院内の寮にて宿泊いただけます。ただし、女性の方の宿泊は寮の規定上お断りしております。大変申し訳ございません。お近くのビジネスホテルや旅館などをお勧めいたします。ご案内も可能です。
  • 各回初日の講座終了後は「懇親会」も今のところ行う予定です。講師も交え質疑やよもやま話で盛り上がりましょう。(費用は別途徴収させていただきます)
  • 2025年5月・6月の「建て方講座」「解体講座」につきましては保険に加入していただきます。手続き、費用につきましては主催者で行います。

講師

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安藤 邦廣(あんどう くにひろ)

筑波大学名誉教授 工学博士/建築家

里山建築研究所主宰、(社)日本板倉建築協会代表理事、歴史的建築物活用ネットワーク共同代表

1948年宮城県生まれ。里山の保全と民家の活用および国産材を活用した板倉の家づくりに取り組んでいる。板倉構法による東日本大震災の応急仮設住宅と復興住宅の建設にも協力支援を続けている。

  • 「小屋と倉」・2010.5・建築資料研究社
  • 「民家造」・2009.2・学芸出版社
  • 「住まいを四寸角で考える」・2005.8・学芸出版社
  • 「職人が語る 木の技」・2002.12・建築資料研究社
  • 「住まいの伝統技術」・1995.3・建築資料研究社
  • 「茅葺きの民俗学」・1983.12・はる書房など
  • 1989 日本建築学会奨励賞
  • 1994 福島県建築文化賞(共同設計)
  • 2003 東北建築賞奨励賞(共同設計)
  • 2010 住宅総合研究財団 清水康雄賞
  • 2011 日本建築学会賞(論文)
  • 2013 グッドデザイン賞(共同プロジェクト)
  • 2014 日本造園学会賞(技術賞)(共同設計)
  • 2014 日本建築仕上学会賞(作品賞)
  • 住宅・施設

    板倉構法による一連の住宅作品 板倉構法による応急仮設住宅(福島県)2011 板倉構法による復興住宅・施設(宮城県南三陸町)2012〜現在 パルシステム茨城 日立館 2015 学習塾日能研大船校仮設校舎 2016
  • 古民家再生

    越後妻有大地の芸術祭 うぶすなの家2006 宮清大蔵音楽ホール 2009
  • 公共建築

    喜多方市立熊倉小学校体育館(監修および構造設計)2015 つくば市梅林あずまやと木造施設(茨城県) 2001〜2007 秋田県ゆとり生活創造センター遊学舎 2002 横手市立栄小学校(秋田県) 1995 中山義秀記念文学館・ふるさと文化伝承館(福島県) 1993
  • 社寺建築

    広宣寺庫裏(長崎県) 2006 称名寺庫裏(石川県) 2000 *いずれも共同設計

《実技講師》

埼玉県飯能を中心に活躍をされている大工の方々に「実技講師」をお願いしています。

・鴨下勇(鴨下建築)

大工。昭和36年7月6日生まれ。高校卒業後大工修行。昭和64に独立、鴨下建築として活動。地元飯能を中心に幅広い技術と知見で大工仕事に取り組んでいる。

 

・小林和良(小林建築)

大工。昭和50年7月12日生まれ。高校卒業後大工修行。29歳の時に独立、小林建築として活動を開始。地元飯能を中心に幅広い技術と知見で大工仕事に取り組んでいる。

 

・岡原玄八(里山建築研究所)

設計士、大工。高知県出身。アイビーログ工房から里山建築研究所へ。安藤先生の右腕的存在。

 

《講師補助》

・小野雄二

学部開催の様子

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参加者の声

kobayashisan

30代 設計事務所勤務→建築・デザイン会社設立

設計事務所での仕事はデスクワーク9割で、モノをつくる仕事にも関わらず…

mutsumisan

学校職員 (主に長期休みに小屋を建築中)

「講座受講前は建築とは全く縁がなく、DIYの経験が豊富という訳でもなく、小さなものですが…

minagawasan

20代 会社員(建築設計)

幼い頃からモノづくりと体を動かすことが好きで、大工さんに憧れた後に設計の道を志し、現在に至ります。しかし、...

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30代 東京で会社員(家具メーカー) → 高知県の移住

実家が製材所を営んでおり、木材は私にとって非常に身近なものでした。大学を卒業後、いくつかの職を経たのち…

img-tanaka

40代 都市公園の管理業務 → 樹木管理の仕事と拠点づくり

自伐型林業に興味を持ち、受講を考えていた時期に伝統構法建築学部の募集もあることを知り、自伐型林業の目的…

otanisan

40代 医療従事者 → 見習い百姓

小学生の頃、実家の増築があったので、大工の現場が自然と私の遊び場になっていました。骨組みをジャングルジムにしたり、庭の片隅で大工の真似事をしたりと。日々好奇心が...

助成

伝統構法建築学部は「地球環境基金」から助成を受けて運営しています。

担当者

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NPO法人地球のしごと大學 副理事長

田中 新吾(たなか しんご)

連携企業・団体について

本学部は、日本自動ドア株式会社一般社団法人日本板倉建築協会、地球のしごと大學の連携プログラムとなっております。 日本自動ドア株式会社の保有する森林、宿泊所(自動ドア技術学院)、その他の設備を利用いたします。