農山漁村精神 ~民衆精神が創り出す「温かい貨幣」の行きかう半市場経済~

講義内容

「半市場経済」とは「経済の展開と社会の創造が一体化しうる経済のかたち」であり「経済が経済以外のものと結びついて展開するかたち」であると内山節氏は定義しています。利益が第一優先の資本主義、完全市場経済では、これ以上の幸せを創造できない。そのためには日本の農山漁村が空気のように保有していた精神や思想ではないだろうか。
本講座では、日本の農山漁村での仕事や労働に対する民衆の精神、価値観を紐解きつつ、「おすそ分け」の贈与経済から、ソーシャルビジネスまで、私たちが未来に求めるべき仕事のありようとその精神について考えます。現代民俗哲学の巨匠と言える内山節氏とたっぷり時間を割いた議論形式にて進めます。

 

日程 開催場所
2018年6月10日(日) 東京会場

 

講師プロフィール

内山節さん

哲学者立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授(2015年定年にて退任)。特定非営利活動法人森づくりフォーラム代表理事。
1950年、東京生まれ。1970年代から東京と群馬県上野村の二地域を往復する生活を営み、自ら畑を耕し、里山に囲まれた農村の暮らしを通して、自然と労働の思想を問い続ける実践的な哲学者として知られている。自然論・労働論・共同体論などを専門とし、立教大学大学院教授、東京大学講師などを歴任。東北農家の会、九州農家の会などでも講師を務める。主な著書に「ローカリズム原論」「文明の災禍」「共同体基礎理論」「清浄なる精神」「里という思想」「自然と労働」「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」などがある。

 

課題図書



『里という思想』  著者:内山節

世界を席巻したグローバリズム化は、「ローカルであること」を次々に解体していった。たどりついた世界の中で、人は実体のある幸福感を感じにくくなってきた。競争、発展、開発、科学や技術の進歩、合理的な認識と判断――私たちは今「近代」的なものに取り囲まれている。必要なのは実体のある幸福感。そのために、人は「ローカルであること」を見直す必要があるのだ。グローバル化された社会へ警鐘を鳴らす、未来へ向けた哲学的論考
(本書より)

 



『時間についての十二章』  著者:内山節

さまざまな相貌をおびて我々の存在を拘束している「時間」。物理学者の「時間」、哲学者の「時間」があり、そして、生活し労働する者の「時間」がある。産業化にささえられた現代人にとっての「時間」とはいったいなんだろうか。山里の自然からのまなざしによって現代文明に再考をうながし続けてきた、哲学者のエッセイ。
(amazonより)