多様性の尊重とは何か ~弱さから始まる仕事と社会、精神病でまちおこし~

 

講義内容

浦河べてるの家は、精神障害をかかえた人たちの有限会社・社会福祉法人です。その特徴は、病気を治療し、社会復帰をめざすのではなく、悩み、弱さをそのまま受けいれ、問題だらけの人生を肯定する力の獲得をめざしていることです。日高昆布の通販からはじまり、農産物・海産物の事業も行っています。「べてるの家」は生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を有しており、100名以上の当事者が地域で暮らしています。一億総活躍社会、社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)(※)がキーワードになっています。当事者ミーティングを見学し、当事者の作業のお手伝いをさせて頂く中で、きれいごとではない社会的包摂の現場とその知見を学びましょう。

<べてるの家の理念>
・弱さを絆に ・三度の飯よりミーティング ・安心してサボれる職場づくり
・昆布も売ります病気も売ります ・精神病でまちおこし
・自分でつけよう自分の病気 ・弱さの情報公開 ・昇る人生から降りる人生へ …etc

※社会的包摂とは、
1980年代、雇用や地域的つながりから脱落する「社会的排除」(失業、技術および所得の低さ、粗末な住宅、犯罪率の高さ、健康状態の悪さおよび家庭崩壊などがもたらす生きる上での不利不便の壁)が先進諸国で新たな社会問題となった。対応する理念として「社会的包摂」が普及し、社会から孤立した人々がもう1度社会参加できるよう、制度や環境を整える取組が各国で展開された。誰もが潜在能力を発揮でき、出番をもってつながりあう社会をめざすもので、社会構造の変化や災害にも耐えうる社会の構築につながる。

 

日程 開催場所
2018年11月5日(月) 北海道浦河町

 

視察先プロフィール

浦河べてるの家

べてるの家は、1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点です。
有限会社福祉 ショップべてる、社会福祉法人浦河べてるの家、NPO法人セルフサポートセンター浦河などの活動があり、総体として「べてる」と呼ばれています。

そこで暮らす当事者達にとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共 同体という3つの性格を有しており、100名以上の当事者が地域で暮らしています。

べてるの家は1978年に回復者クラブどんぐりの会の有志メンバー数名が浦河教会の旧会堂を拠点として活動をはじめたのがはじまりです。1983年、浦河日赤病院の精神科を退院した早坂潔さんをはじめとする精神障がいを体験した回 復者数名が、浦河教会の片隅で昆布の袋詰めの下請け作業をはじめ、1984年に当時浦河教会の牧師だった宮島利光氏から、「べてるの家」と命名されまし た。現在では、精神障がいばかりではなく、様々な障がいを持った当事者が活動に参加しています。
べてるの家の歩みは、様々な悪条件を好条件とし活かしてきた歴史から生まれたものです。社会的な支援体制の乏しさや地域経済の弱体化が、精神障がいを抱えながら生きようとする当事者自身の生きづらさと重なり合ったとき、「地域のために、日高昆布を全国に売ろう」という起業の動機につながりました。(公式HPより)
http://www.urakawa-bethel.or.jp/betheltoha.html

 

課題図書



『べてるの家の「当事者研究」』 著者:浦河べてるの家

北海道浦河町で、主に精神障害をかかえた16歳から70歳代までの約150人が活動をする作業所。「精神病でまちおこし」などをキャッチフレーズに、年商1億円、年間見学者2000人、いまや過疎の町を支える一大地場産業となった。(amazonより)